アルバイトが退勤時間になった時、何か声かけしてますか？

「お疲れ様〜」とか「おつかれっ」とか「上がっていいよ！」とかそんな感じでしょうか？

暇な時間だったら、ちょっとした雑談をすることもあるかもしれません。

もちろん悪いことではありませんが、必ず付け足してほしい言葉があります。

それは『ありがとう』です。

えっ？

それだけっ？

と思う人も多いと思いますが、あなたはスタッフに対して「ありがとう」が言えていますか？

「お疲れ様、上がっていいよ！」

と言われるのと

「お疲れ様〜、今日もありがとね！助かったよ〜」

絶対に後者だと思います。

お店が成り立っているのは、パート、アルバイトのおかげといっても過言ではありません。

働いてもらったからにはしっかり感謝の気持ちを伝えましょう。

もし、そのスタッフがミスをして、余計な仕事を増やした日だったとしても退勤の時には感謝をしましょう。

「ありがとう」の重要性に気づいたのは私が学生時代にアルバイトをしていた時です。

私は大学時代、ちょっとお洒落な居酒屋でアルバイトを経験しました。

アルバイト初日、私に与えられた仕事は、先輩達が作った料理や飲み物をお客様の席へ運ぶことと、お客様が帰った後の片付けです。

ちょうど年末の時期だったということで、忘年会やら何やらで、大忙しの日でした。

そんな繁忙期に入社し、初日に大ミスをやらかしたのです。

ある団体のお客様からパフェの注文が入り、厨房で作ったパフェをトレーに乗せれるだけ乗せてお客様の席へ運ぼうとフロアを颯爽と飛び出しました。

慣れない革靴を履いていたことと、外は雨が降っていたので、床が多少濡れていたことも重なり、足を滑らせたのです。

バランスを崩しながらも転ぶことは免れましたが、トレーに乗せていたパフェは全て床にぶちまけました…。

パフェグラスも割れ、生クリームやらアイスやら床に散らばりました。

ただでさえ忙しく、てんてこまいな時に、こんな大ミス。

厨房のスタッフとお客様へ謝り、片付けや他の飲み物や食べ物を運びました。

そして、やっと上りの時間が来た時、店長から言われた言葉が今でも頭に残ってるのです。

「おつかれ〜、上がっていいよ！今日はどうだった？ありがとね、助かったよ！また明日も頼むね」

と言ってくれたのです。

決して嫌味ではなく、さらっと言ってくれたのです。

新人で仕事もわからない状態の上、余計な仕事を増やしてしまったことで気分は下がり気味でしたが、店長の言葉で、次も頑張ろうと思えたのです。

もし、あの時店長から「上がっていいよ」とだけ言われていたら、自分は向いてないんだろうか？とか仕事ができない奴だとか思われてるんだろうなぁと感じていたと思います。

明日のバイトも憂鬱になっていたと思います。

その店長は私だけではなく、他のスタッフに対してもいつも「ありがとう」を言っていました。

店長はみんなからとても好かれていて、スタッフは店長に対してとても協力的だったのです。

私もそんな店長が好きでしたし、協力したいと思って仕事をしていました。

当時は単に店長の人柄が良いから好かれているんだと思っていたけど、私が店長になってようやく気付きました。

その時の店長は魔法の言葉「ありがとう」を多用していたから好かれていたんだと。

店長がいくら頑張っても、スタッフが頑張ってくれなければ良いお店はできません。

普段、当たり前に働いてくれているスタッフへ、いつでも感謝の気持ちを持ちましょう。

感謝されれば、もっと頑張ろうと思ってくれるのが人間です。

感謝されれば、さらに感謝されるような行動を取りたくなるものです。

スタッフへ疎かな態度で接していれば、スタッフも疎かな仕事しかしなくなります。

どんなに有能なスタッフであっても店長次第でぐうたらスタッフへ早変わりしていきます。

反対に、あまり期待できないスタッフだって、働いてくれてることに感謝を伝えていれば、とても協力的で優秀なスタッフに変身します。

協力的で優秀なスタッフを育てるのは、厳しい指導ではなく、感謝することから始まります。

もし、あなたがスタッフに対して感謝の気持ちを持っていなければ、きっと非協力的なスタッフだらけで大変な思いをしていることでしょう。

明日からでもスタッフへ感謝の気持ちを伝えましょう。

徐々に変わり始めるでしょう。

実践あるのみです。